アジアの一部区域で、当たり前のように行われている犬や猫の食文化。
しかし、飼っていたペットをそこに売っている飼い主がいるのも事実だそうです…。
「もういらない!」の理由で売りつける
私たちの一番身近にいる犬は、アジアの一部地域では食用とされるのも事実。
「食文化」と言われれば、頭ごなしに否定はできないかもしれません…。
しかし…
「飼っている愛犬が不必要になり、業者に売る」
という行為をどう思いますか?
今回伊藤ご紹介するのは、檻の中に閉じ込められている2匹の犬。
名前は「リリー」と「ピンチ」と言います。
リリーとピンチは韓国で飼われていました。
しかし、2匹は飼い主から想像を絶する裏切りにあうのです。
飼い主は、家畜として地元の犬肉用ドックファームに売り飛ばしました。
ドックファームの生活は、ただエサを与えるだけの不衛生な環境。
飼い主に裏切られ、劣悪な環境へと追いやられたリリーとピンチは、絶望のまま食肉となるのを待つだけ…。
2匹の犬に奇跡が起こったのです。
幸いなことに、リリーとピンチのもとへ救いの手が差し伸べられました。
韓国では、犬肉の流通は法律で認められていますが、2匹が売られた肉業者は営業許可を持たない違法業者だったのです。
そこに動物愛護団体『Humane Society International(HSI)』が地元の愛護関係者と協力して、
リリーとピンチを含む合計35匹の犬を救出しました。
「ここの生活は過酷なものです。絶望に満ちた檻の中から、来る日も来る日も仲間が殺されていく光景を目にし、最低限のエサだけを与えられる恐ろしい光景です。」
HSIのスタッフの1人であるデレクター・ケリーさんはこのように語ります。
救出された35匹のうち31匹が希望の地「ノースカロライナ・シェルター」へ向け、アメリカへと旅立ちました。
悪徳業者
ノースカロライナでは適切な医療措置を受けられ、愛される家庭犬として安心して生きていくことができます。
そう遠くない未来に、リリーとピンチは素晴らしい人間に巡り会えるでしょう。
もちろん、『肉』ではなく『犬』としてです。
「彼らは肉ではありません。 普通に犬らしい犬なのです。」
ケリーさんはそう語りました。
HSIは韓国の食肉流通業者と戦い始めて、これまでに5つの悪徳業者を廃業に追い込みました。
現在では、地元の動物愛護団体の協力もあり、約525匹の犬をアメリカに脱出させています。
犬は人間と同じく悲しみの感情も、喜びの感情も持っています…。
酷い話でしたが、せめてリリーとピンチがアメリカで、幸せになれることを祈るばかりです。