イチジクは果物でも野菜でもないそうです!
では…いったい何なのでしょうか!?
イチジクは果物でも野菜でもない!?
スーパーなどでも色づいたイチジクが並び始めましたね。
柔らかくて甘い香りのするイチジクは栄養価が高く、古くから不老長寿の果物と言われています。
実はイチジクが
「果物ではない」
ことをみなさんはご存知でしょうか? かと言って、野菜でもありません。
甘くてみずみずしいイチジクが果物や野菜でなければいったい何なのでしょうか?
今回、そんな不老長寿の源とも呼ばれるイチジクについて調べてみました。
不老長寿の源とも呼ばれるイチジク
出典:cadot.jp
イチジクには
- 「アンチエイジング作用」
- 「更年期障害対策」
- 「がん予防」
- 「便秘解消」
などの美に関する栄養素が含まれていると言われています。
しかし…
多くの人はイチジクが何者かをご存知ないかと思います。
実はイチジクは、果物や野菜ではなく「花」そのものなのです。
イチジクは漢字で「無花果」と書きますが、花がないわけではありません。
イチジクの花は、リンゴや桃のように木の外側には、咲かず洋梨のような形をした鞘の中で咲きます。
そしてそれが成長することで私たちが食べているイチジクとなるのです。
実を半分に切ると赤い身がたくさんつまっているのが花です。
いちじくは花の部分によって独特の食感を生み出していたのです。
普通の果物は、花が咲いて交配して、花が散り、実がなり膨らんで食べごろに熟したころ実を食べますが、
イチジクは花が咲いているときに食べています。
ですから果物の「イチジク」は実ではなく花を食べているというわけです。
では、内側に花が存在するイチジクはどうやって受粉するのでしょうか?
他の植物のように、風やミツバチが花粉を運ぶというわけにはいきません。
そこには興味深いストーリーが存在していました。
イチジクの受粉方法が興味深い・・・
イチジクの受粉に欠かせないのはイチジクコバチで、イチジクはイチジクコバチなしに、子孫を残すことができません。
そしてイチジクコバチも、イチジクなしで子孫を残すことができないのです。
この関係を「共生」と言います。
イチジクには雄花と雌花が存在し、食べているのは雄花なのだそうです。
雄花は、イチジクコバチが卵を産むために使われているそうです。
メスのイチジクコバチはとても細い経路を使ってイチジクの雄花部分に入り込みます。
この通路はとても細いため、途中で羽と触覚が折れてしまうため、一度中に入ると抜け出すことができず、
産卵後にその中で死んでしまうのだそうです。
そして、卵からはオス・メス両方のイチジクコバチが生まれますが、オスのイチジクコバチは羽を持っていません。
彼らオスの目的は、同じ雄花の中にいる雌のイチジクコバチと交尾し、外へと抜け出すトンネルを掘ることなのです。
オスの作ったトンネルを通り抜け、メスのイチジクコバチが花粉を外へと運び出すそうです。
一方、雌花には卵を産むスペースはほとんどありません。
そのため、間違って雌花に入ったイチジクコバチのメスは、卵を埋めないまま花の内側で死んでしまいます。
しかしこれも必要なプロセスで、そうすることで、花粉が雌花へと運ばれ、イチジクができるのです。
ここまで読まれた方は、ひょっとしてイチジクコバチも一緒食べていると追われたかもしれません。
イチジクにはフィシンと呼ばれる酵素が存在し、イチジクコバチをタンパク質に変えてしまうのだそうです。
そのため、人間が口にするイチジクにはイチジクコバチは入っていません。
また、イチジクコバチは日本の気候では住むことができず、
国内で栽培されているイチジクは受粉しなくても大きくなる「単為結果」という性質を持つためイチジクコバチは入っていないそうです。
イチジクは実は「花」であり、興味深い生態について紹介しました!
とは言いつつも、日本では木になれば果物、草なら野菜というのが一般的です。
そして、花であろうが果物であろうが、甘く美味しいには変わりありませんので、雑学として頭の片隅にでも入れておいてもらえたらと思います。